持続可能な鵜飼観覧船事業の実現に向け、３艘の鵜飼観覧船の高付加価値化を目的としたデザイン・改造（設計・施工）等のプロポーザル提案により採択されたプロジェクトである。自分たちが暮らすまちの重要なプロジェクトとして、ELEPHANTdesignとチームを組んで取り組んだ。

　1300年以上の歴史と伝統ある「本物」を伝えるため、画家・加藤東一による鵜飼の日本画に着想を得て、「闇に溶け込み、呼応する３つの舟」をトータルコンセプトとし、墨色の外観とそれぞれに「月の光＝白」、「夕夜＝藍」、「篝火＝橙」をテーマとして、色彩（素材色、染色）や素材（白木・美濃和紙、ファブリック）として表現し、空間デザインを展開した。
船内の居住性を高めるための座卓からクッション性の高いベンチシートと移動可能なテーブルの設置や照度をコントロールできる間接照明、また木組みを見せる白木の切妻屋根・空の近いガラス屋根（ムーンルーフ）・今までにない形状で包まれるボールト屋根の3つの屋根を設計し、異なる空間体験を演出した。

鵜飼は観光として捉えられがちであるが、このプロジェクトを通じて、生活であり文化であることにより強く気付かされた。多くの人に鵜飼を体験してもらい、その稀有な感動と共に、それを支える自然環境や文化の持続可能性について考える機会にしてもらえればと思う。

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事業体名称：ミユキ・エレファントデザイン共同体

クライアント：岐阜市

施工：ELEPHANTdesign、ファブリック：SUMISURA

※高級鵜飼舟乗船のレポートが、弊社がディレクションを行った岐阜市のシティプロモーション「エエトコタント」WEB版で読むことができます。