岐阜市郊外に立地する住宅の計画である。
高齢夫婦の住まいであり、バリアフリーや介護動線を考慮し平屋建てが計画要件となった。また交通量の多い幹線道路脇の敷地であったため、外側より内側に開くことを模索し、2間半角の中庭を囲むロの字型プランとした。中庭に面するサッシや内部の建具高さを1800とし、小屋組みの伸びやかさを確保しながら、中庭への開放感と身体スケールが感じられる断面計画とした。日常的にDIY(というレベルを超えているが…)をこなす施主であったことから、施工は分離発注方式を採用した。内装造作材は施主がストックした材料を活用し、家具・造作・塗装工事の大部分をDIYで実施した。建築を計画してつくりあげる一連のプロセスに、通常の計画より踏み込んだ関わり方をするなかで、従来の分業化が生み出すギャップを把握し解消することの重要性を再認識するプロジェクトとなった。
施工:施主、山木商行、岡田建築
撮影:VA・岡村靖子